第1回「被害者支援セミナー」を開催
(社)被害者支援都民センター主催の「被害者支援セミナー」が梅雨の晴れ間の七月二日(日曜日)の午後に開催されました。当初四十人の定員で、当センターの研修室で行う予定でしたが、被害者支援に対する関心の高さでしょう、申し込みが定員を大きく上回ったため、会場を区の施設に移して九十名の聴講生参加のもとに行われました。
セミナーは、当センター青木俊一専務理事の開会挨拶で始まり、江幡玲子、穴田富美子両コーディネーターによるオリエンテーション、続いて当センター副理事長の山上皓 東京医科歯科大学教授が「社会による被害者支援〜歴史と現状と課題〜」と題して「英米の被害者支援の歴史について述べられ、その中で、英米では早い段階から支援組織が自然な形で被害者に接し、幅の広い援助活動が出来る優れたシステムが確立されている。また直接支援には警察との密接な協力関係が必要不可欠である。さらには、日本における支援制度の問題点、ボランティアの必要性」などについて講演されました。
次に、地下鉄サリン事件遺族の高橋シズエさんが、「被害者遺族の立場から〜突然、被害者となって〜」と題する講演を行い、シーンと静まりかえったなか、涙しながらメモを取る聴講生も見られました。
講演の最後は、精神科医の高橋紳吾 東邦大学助教授が「被害に遭うと言うこと〜被害者の心〜」と題し、実例をあげながら「ボランティアとは人を救うことを通じて自分たちが救われることである、被害者支援の問題は、これから実績を積み上げてアメリカ、イギリスに負けないような組織を作っていかなければならない」と結ばれました。
最後のプログラムのシンポジウムでは、被害者である高橋シズエさんにいくつかの質問が出るなど、時間いっぱいまで熱のこもったセミナーが行われました。
二回目のセミナーは七月十五日(土)、三回目は七月二十九日(土)同じ場所で開催致しました。