図4.26、図4.27に底質のIL値およびCOD値と底生生物相の指標との関係を示した。
これら有機物量を指標する諸量については、底生生物の餌料条件の観点から正の相関を期待したが、相関関係を見いだすことは難しい。これは海浜の違いによるCOD値(あるいはIL値)のばらつきが、狭い範囲に集中してしまい、誤差の中に隠されてしまっている可能性が高い。また、参考に水質条件との関係についても検討を試みた。本調査では、水質調査を行っていないため、使用したデータは自治体が各都道府県の海水浴場において毎年6月に実施している「水浴場の水質調査結果」の平成10年度の調査結果である。図4.28の水質との関係を示したが、これについても特に関連性は見て取ることができなかった。これは時期が全く異なる、調査実施日の結果であることも大きいと考えられるが、底質のCOD値よりも更に広く散乱していて、この項目については、keyとして設定することは困難と思われる。