2] 現地調査実施時期
現地調査は、以下の2回に分けて実施した。なお、海岸別の実施日を表1.1にあわせて示した。また、各海岸の調査は、可能な限り潮位が平均水面以下の時間帯に行った。
平成12年10月11、12日
平成12年11月9、10日
3] 調査項目
各海岸の測線について以下の項目を調査した。
a) 海岸地形(断面)測量
各測線について、レベル、スタッフ、メジャーを用い、地形断面測量を実施した。
測量は海岸背後の護岸から朔望平均干潮位(L.W.L.)までを対象とし、勾配変化点にスタッフを配置し、レベルにより地盤高を計測し、朔望平均満潮位(H.W.L.)からの距離をメジャーを用いて計測した。
高さの基準面はD.L.とし、地盤高の決定は調査実施時刻の推算潮位を算出し、この潮位から平均水面(M.S.L.)の位置を決定する簡易的な手法により実施した。
b) 底質調査
上記a)項による海浜断面測量結果に基づいて設定した朔望平均満潮位(H.W.L.)、平均水面(M.S.L.)、朔望平均干潮位(L.W.L.)の3地点において移植ゴテを用いて海浜砂を採取し、以下の項目について分析を行った。
・粒度組成:JIS1204(フルイによる分析のみ)
・強熱減量:還水管(昭63年第127号:600℃における減量)
・COD:還水管(昭63年第127号:過マンガン酸カリウム滴定法)
・酸化還元電位:下水試験法第5節(飽和塩化銀電極法)
c) 底生生物調査
上記a)項による海浜断面測量結果に基づいて設定した朔望平均満潮位(H.W.L.)、平均水面(M.S.L.)、朔望平均干潮位(L.W.L.)の3地点において、グラブ式採泥器(採泥面積0.05m2)を用いて3回の海浜砂を採取し、1mm目合いのフルイ上に残ったものを砂を含め試料とした(写真2参照)。この試料を10%中性ホルマリン溶液により固定し、実体顕微鏡下で生物を分別し、種の同定、個体数の計数及び種別湿重量の測定を行った。