4) 解析方法
(1) 流況、水温、塩分シミュレーション
東京湾では湾奥から流入する河川水の影響で沖合水との間に大きな密度差が生じ、これが駆動力となって広域スケールの鉛直循環が形成されている。このような流れの特徴を再現するために、3次元の数値流動モデルを適用した。このモデルは湾の水柱を複数の層に区分して、各層内の流速、水温および塩分の分布を解析するもので、マルチレベル流動モデルと呼ばれている。このモデルによって、潮汐や海上風、海面を通じての熱交換、淡水流入等の流れの駆動要因の複合効果が考慮され、湾内の複雑な流動を精密に予測することができる。手法の概要は次のとおりである。