4. 調査結果
4.1 東京湾における藻場の分布
既往資料1)〜4)を収集し、東京湾における藻場の分布を整理した(図4.1.1)。
環境庁の第4回自然環境保全基礎調査1)では、藻場を以下のように分類している。
1] アマモ場(アマモ、コアマモ)
2] ガラモ場(アカモク、ヒジキ、オオバモク、ヤツマタモク、イソモク、タマハハキモク)
3] アラメ場(アラメ)
4] ワカメ場(ワカメ)
5] その他(オゴノリ)
アマモ場は、海産の顕花植物であるアマモとコアマモとが主な構成種であり、砂泥域に形成される。東京湾では、千葉県の木更津市、富津市にまとまった藻場が分布しており、神奈川県には横須賀市以南に点在している。
ガラモ場は、褐藻類のホンダワラ類を主体とした藻場で、岩礁域に形成される。東京湾では、アカモク、ヒジキ、オオバモク等が優先しており、千葉県の富津市以南、神奈川県の横須賀市周辺に藻場がみられる。
アラメ場、ワカメ場は構成種の葉体が比較的大きいことから、海中林と総称されることもある。アラメ場は褐藻類のアラメが優先する藻場で、岩礁域に形成される。東京湾では神奈川県の横須賀市以南にまとまった藻場がみられる。
ワカメ場は、褐藻類のワカメが優先する藻場であり、千葉県富津市以南に点在している。
その他の藻場としては、紅藻類のオゴノリを主体とする藻場が、千葉県の木更津市にみられる。
なお、東京湾では緑藻類のアオサ類が夏季を中心に増殖し、アオサ場を形成することがあるが、腐敗による悪臭の発生や水底質が悪化することがあり、環境保全面で問題となっている。このアオサ類は、外来種と考えられており、付着基から離れても急速に生長し、流れの停滞域等に集積する。