〔注〕
(1) 原口二郎「組織犯罪対策としての薬物事犯捜査の現状と課題」警察学論集53巻5号(平12)48頁。
(2) 「座談会・薬物問題の現状と今後の対策の方向」における折田康徳警察庁薬物対策課長の発言(警察学論集53巻5号3頁)。
(3) 原口・前掲注(1)「組織犯罪対策としての薬物事犯捜査の現状と課題」49頁。
(4) 関税法は、従来、輸入禁制品としての「規制薬物」、「けん銃」の輸入罪の法定刑を5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はその併科と規定していたが、平成12年3月31日の改正(法律26号)で、罰金刑の額を3000万円以下に引き上げた(関109条1項)。併せて、密輸した本人だけでなくその者が所属する犯罪組織に対しても両罰規定が適用できるようになった(関117条)。
(5) 田中利幸「密航・密輸―刑事法の視点から―」新海洋法の展開と海上保安2号(平10)28頁。
(6) 村上暦造「密航・密輸と海上における管轄権」新海洋法の展開と海上保安2号(平10)5頁以下。
(7) 田中・前掲注(5)「密航・密輸―刑事法の視点から―」14頁以下。
(8) 田中・前掲注(5)「密航・密輸―刑事法の視点から―」25頁。
(9) 田中・前掲注(5)「密航・密輸―刑事法の視点から―」23頁。
(10) 小田滋『注解国連海洋法条約上巻』(有斐閣、昭60)303頁。
(11) 我が国では、海洋法条約108条に対応する国内法の規定がなく、その整備の必要性はあると思われる。
(12) 麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国連条約(麻薬新ウィーン条約)は、海洋法条約の内容をさらに一歩押し進め、「締約国は、国際法に基づく航行の自由を行使する船舶であって他の締約国の旗を掲げ又は登録標識を表示するものが不正取引に関与していると疑うに足りる合理的な理由を有する場合には、その旨を旗国に通報し及び登録の確認を要請することができるものとし、これが確認されたときは、当該船舶について適当な措置をとることの許可を旗国に要請することができる。」と規定し(17条3項)、この要請を受けた旗国は、当該船舶への乗船、捜索を行い、不正取引にかかわっていることの証拠が発見された場合には船舶、乗船者、積荷について適当な措置をとることの許可を与えることができると規定している(17条4項)。