日本財団 図書館


2. 日韓漁業協定

(1) 排他的経済水域

新日韓漁業協定では、第1条でその適用水域を両国の排他的経済水域としている。その水域の中で、第7条では漁業暫定線が規定されており、第1項では、その線より自国側の水域で、両国は漁業に関する主権的権利を行使し、相手国漁船の入漁に関する第2条から第6条までの規定の適用上もその水域を排他的経済水域とみなすと規定する。さらに同条2項では、この線より相手国側の水域で漁業に関する主権的権利を行使しないものとされており、漁業暫定線を暫定的な境界線として両国で漁業に関する管轄権を分配している。

附属書IIにおいては、第1項において、第9条に定める暫定水域より自国側の協定水域において漁業に関する主権的権利を行使し、第7条の場合と同様に、第2条から第6条までの規定の適用上もその水域を排他的経済水域とみなすと規定する。また、同附属書第2項では、暫定水域より相手国側の水域で漁業に関する主権的権利を行使しないものとされ、暫定水域より沿岸国側の水域をそれぞれの排他的経済水域としている。

それぞれの締約国の排他的経済水域とみなされる水域においては、この協定および自国の関係法令に従い、自国の排他的経済水域において他方の締約国の国民および漁船が漁獲を行うことを許可し(2条)、他方締約国国民および漁船の漁獲が認められる魚種、漁獲割当量、操業区域その他の条件を定める(3条1項)ものとされており、排他的経済水域において沿岸国管轄によって相手国の入漁を認める、という他国漁民参入の制度をとっている。また、他方締約国の排他的経済水域において漁獲を行うときにはこの協定および他方締約国の関係法令を遵守することが規定されている(5条1項)。

執行に関しては、第6条で、他方締約国民および漁船が自国の排他的経済水域内で漁獲を行う際に、操業条件およびこの協定の規定を遵守させるために必要な措置をとることができるものとしている(1項)。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION