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22 同上39頁。

23 水産庁・海洋法令研究会編『前掲書』122-123頁。

24 安冨潔「釈放後の手続からみたボンド」『新海洋法の展開と海上保安第3号』海上保安協会(平成11年3月)107頁。なお、安冨教授によれば、わが国の海洋汚染防止法違反については、刑罰として罰金刑が予定されているが、わが国刑法では、罰金が完納できないときは、1日以上2年以下の期間、労役場留置を言い渡すことができるとされている(第18条1項)。他方、国連海洋法条約第230条では、海洋汚染を行なった外国船舶については、金銭上の刑罰のみを科することができると規定されている。この両者の関係は検討を要するとの安冨教授の指摘は、傾聴に値する。

25 橋本博之「国連海洋法条約と漁業法令の執行・取締」『新海洋法の展開と海上保安第2号』海上保安協会(平成10年3月)95-96頁。

26 同上96頁。

27 水産庁・海洋法令研究会編『前掲書』123頁。

28 本判決については、すでに青木教授によって翻訳がなされている。青木隆「サイガ号(セント・ヴィセント対ギニア)事件船舶釈放判決及び暫定措置命令」『法学研究』第71巻9号123-155頁。訳出にあたっては、青木訳を参考にした。また、この判決については、牧田幸人「国際海洋裁判所の争訟権限と判決」『島大法学』第42巻2号118頁以下及び青木「国際海洋法裁判所の発足と最初の事件」『清和法学』第5巻1号118頁以下に詳細な論評がある。

29 ITLOS Reports 1997, p. 23, para. 29. 青木「前掲訳」129頁。ところが、本案判決では給油を行なったのは、アルカトラズ地点から約22カイリとされている。International Legal Materials, Vol. XXXVII (1998), p. 360. そうであれば、本件行為はギニアの接続水域内で行なわれたことになる。仮に22カイリの地点であれば、ギニアの接続水域内の行為として密輸又は関税法違反とのギニアの議論に有利となるが、32カイリであればEEZ内のバンカリングということになる。即時釈放に関する第1判決では、裁判所は接続水域からの継続追跡というギニアの主張を否定する形で後者の立場に立って判決している。ITLOS Reports 1997, p. 31, para. 61 and p. 33, para. 70. 詳しくは、Cf.Bernard H. Oxman, "The M/V 'Saiga' (Saint Vincent and the Grenadines v. Guinea). ITLOS Case N0.1", American Journal of International Law, Vol. 92 (1998), PP. 280-281. 事実の認定が異なっているのは、仮にギニア自身が接続水域は本件において関連性をもたないと主張しているとしても、気になる点である。田中嘉文「M/Vサイガ号事件本案判決について(セント・ビンセントおよびグレナディーン諸島v.ギニア1999年7月1日)」『一橋研究』第24巻6号66-67頁。

 

 

 

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