【新旧課長挨拶】
海上保安庁の国際化(この1年を振り返って)
―離任のあいさつに代えて―
前国際課長
大須賀英郎
去る6月29日に国際課を離れ、運輸施設整備事業団に異動することとなりました。1年間、いろいろな出来事があって楽しく過ごしましたが、まだ遣り残した仕事もあり内心忸怩たる念いもあります。いま、昨年の7月に国際課長の発令を受けてから駆け足で通りすぎたこの1年を静かに振り返っています。
出来事の頻発した1年
着任直後のロシアとの海上保安当局間協議(モスクワ及びウラジオストック)、8月の東チモールへの邦人救出のための巡視船派遣、8月と9月のトルコ地震及び台湾地震に際しての国際緊急援助隊参加、10月の日韓救難防災合同訓練(プサン沖)、11月のアロンドラ・レインボウ号海賊襲撃事件への対応、12月の日中治安当局間会議(北京)、小渕前総理のアセアンプラス3の会議における発言で始まった海賊対策国際会議(3月のシンガポール準備会議と4月の東京で開催した本会議)、3月のシンガポールでのアジア太平洋海上保安主管庁会議への長官出席とベトナム訪問、4月1日の海上保安庁の英文名称のジャパンコーストガードへの変更、4月の長官中国訪問と、立て続けに生起し急速に展開したできごとに、事務方はいささか翻弄される気味もありましたが、荒井長官の強力なリーダーシップのもとにあらゆる面で海上保安庁の国際化が大きく進展した年でもありました。
国際緊急援助活動と邦人救出
日本のおかれている国際社会では、常にいろいろなことが起こっています。近隣諸国で発生する自然災害や暴動・騒擾に際しても、海上保安庁の有する能力を活用し、我が国の国民や広く国際社会のために貢献できる場があります。