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吟剣詩舞の若人に聞く

第三十一回

 

ハンディを乗り越え優勝した努力に敬服

 

ご本人・ご家族・先生方のご了解のうえ書くことにしたが、実は、服部幸海さんは生まれた時から聴力が弱かった(難聴)とのこと。そのハンディを乗り越え、見事に詩舞幼年の部で優勝を果たしました。やる気があれぱ、人間は何事も成し得ることを教えてくれた幸海さんとご家族、先生、宗範にお話をうかがいました。

 

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服部幸海さん

 

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服部幸海さんを中心に写真(前列)左より尾嶋箔栄さん(祖母)、杉浦英容さん(師)、服部幸海さん、杉浦容楓宗範、服部朱海さん(母)、(後列)左より服部怜海さん(二女)尾嶋美紀さん(従妹)、服部佳海さん(三女)

 

服部幸海(ともみ)さん(十歳) (平成十二年度全国剣詩舞コンクール決勝大会詩舞幼年の部優勝)

母…服部朱海さん

二女…服部怜海さん

三女…服部佳海さん

祖母…尾嶋箔栄さん

従妹…尾嶋美紀さん

師…杉浦英容さん

宗範…杉浦容楓さん(北辰神明流分家剣詩舞)

 

いつから詩舞をしているの?

幸海 「0歳八ヶ月からお稽古場に遊びに行って、二歳から始めました」

すごいね(笑)、誰かに勧められたの?

幸海 「勧められたというより、おばあちゃんが詩吟をしていて、小さい頃からそれを聞いていたので興味をもちました」

踊るのは楽しい?

幸海 「はい、みんなが踊っているのを見るのも好きですし、その踊りを見ながら自分もああいう風に踊れればいいんだとか楽しく学べるから、詩舞は大好きです。楽しい時はうまく踊れた時です。それから、おばあちゃんやお母さんに褒められた時とか、お母さんがこれなら全国優勝できるねと言った時です」(笑)

朱海 「そんなこと言ってないわよ」(笑)

幸海 「言ったよ」(大笑)

英容先生が直接教えているのですか?

英容 「はい、初めから教えています」

彼女の最初の印象はどうでしたか?

英容 「教えたことをきちんと消化できないうちでも、人を引きつける魅力というものが、幸(とも)ちゃんにはあったと思います」

練習は厳しい?

幸海 「大変な時もありますが、楽しい時もあります」

どんな時が楽しいの?

幸海 「初めて踊る踊りを教えてもらう時です」

大変な時はどんな時かな?

幸海 「コンクールなどのきつい練習の時は嫌だなと思うこともあります」(笑)

幸海さんは、耳がご不自由だとうかがいましたが?

箔栄 「二歳の頃、そのことに気がつきました。後ろから幸ちゃんに声をかけると、反応がどうも遅く、何か変だなと思い、声を大きくして呼んだら振り向いたので、それで病院に行きました」

原因は何でしようか?

朱海 「先天性感音難聴という病名ですが、いまだに原因はわかりません」

ハンディを持ちながら、詩舞をさせた理由は?

朱海 「耳が聞こえるとか、聞こえないとかは意識せずに、従妹も習っていますし、おばあちゃんについて習うことは自然なことでした。また、補聴器を使用すれば音は聴こえますから」

幸海さんについて、気をつけている点がありますか?

英容 「特にありません。お稽古をする時もグループで一緒に練習させ、作品をつくる上でま特別扱いましませんし、こちらも妥協しません。みんなに遅れれば注意もします」

 

 

 

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