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漢詩初学者講座

吟詠家に漢詩のすすめ―(三十五)

 

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伊藤竹外先生プロフィール

愛媛漢詩連盟会長(16吟社、会員200名、毎月指導、添削)、六六庵吟詠会総本部会長(吟歴60年)、財団公認愛媛県吟剣詩舞道総連盟理事長、財団法人日本吟剣詩舞振興会理事

平成5年 文部大臣地域文化功労賞

平成8年 財団吟剣詩舞大賞功労賞

著書 豫州漢詩集(編著)、南海風雅集(編著)(2版)、漢詩入門の手引き(10版)他。

 

一、 日本の風土を愛し詠(うた)おう

日本の風土は春夏秋冬の変化に応じて山あり渓あり河川あり、四面海に囲まれ到る処に名勝地が生まれました。

又、長い伝統の中で幾多の英雄、先哲が活躍し波潤万丈の興亡の歴史を背景に今尚、史跡、城址が懐古の情を甦らしてくれます。

更に中国の古典と詩語を享受して私達は漢詩の深奥と幽玄を学び日本の恵まれた環境に感謝すべきであります。

現吟界が昔の詩を繰り返し吟じることに自ら疑問を持ち、変った素材を求めることがこれからの課題であると思います。と同時に漢詩家は常に日套を脱し新分野への挑戦の意欲が必要ではないでしょうか。

唯、作詩はむつかしく三年や五年ではまず人を感動せしめる作品を得ることは至難であります。そうして漢詩界のなやみは指導者が少なく、この欄に投稿される方も多くは独学で、その作品も欠点が多く秀作を得ることは容易でまありません。

然しながら本欄で熱心に勉強されている方の中から必ずや次の指導者が生まれることを期待してやみません。各位の一層の研鑚を祈ります。

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