さらに式典は進み、平成十二年度吟剣詩舞大賞受賞者では吟剣詩舞功労賞として、小山凰慧(東京)、濱田哲城(大阪)、河野吼山(広島)の各先生方が受賞されました。また、平成十二年度少壮吟士の紹介と表彰では、伊藤契麗さん(神奈川)、明神春風さん(高知)、岸本快伸さん(大阪)の三名が晴れて少壮吟士になられました。そのあと、祝電が披露され、式典は滞りなく終了しました。
そして、いよいよ期待の吟剣詩舞企画構成番組「元禄の人たち―国際感謝年二〇〇〇に寄せて―」の幕が開きました。内容は国際感謝年二〇〇〇に因んで、多くの人が太平の世を謳歌した元禄時代を振り返り、その時代に活躍した人たちや、この時代に花開いた庶民文化に焦点をあてながら、生命への感謝の心をキーワードとする平和な社会、世界平和について考えるものでした。
幕開けは笹川鎮江会長による美しい吟詠「和歌史の上」ではじまり、以降、財団理事らによる吟詠、そして日本を代表する吟剣詩舞家らによる舞台がつづき、質の高い吟剣詩舞が、訪れた愛好家の耳と目を楽しませていました。その舞台はまさに二十世紀最後を飾るにふさわしいものであり、二十一世紀への橋渡しとなる舞台だと感じました。
演目が終わり、最後に合吟コンクール入賞団体の発表が行なわれました。見事優勝を果たしたのは四十六番の心彰流愛吟詩道会の男子(群馬)でした。名前が呼ばれると会場から大きな拍手が沸き起こり、「やった!」と言う声も聞こえました。準優勝は四十七番の吟詠静凰流の女子(東京)で、三位が五十五番の吟道賀堂流近畿本部の女子(兵庫)でした。
最後まで滞りなく進行した第三十三回全国吟剣詩舞道大会は、来世紀における吟剣詩舞道の大いなる発展を予感させるにふさわしい舞台ではなかったでしょうか。