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漢詩初学者講座 伊藤竹外

吟詠家に漢詩のすすめ―(三十二)

 

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伊藤竹外先生プロフィール

愛媛漢詩連盟会長、(16吟社、会員200名、毎月指導、添削)、六六庵吟詠会総本部会長(吟歴58年)、財団公認愛媛県吟剣詩舞道総連盟理事長、財団法人日本吟剣詩舞振興会理事

平成5年 文部大臣地域文化功労賞

平成8年 財団吟剣詩舞大賞功労賞

著書 豫州漢詩集(編著)、南海風雅集(編著)(2版)、漢詩入門の手引き(9版)他。

 

一、吟詠大会は漢詩の好課題

本欄愛読者は吟詠家であり又、漢詩家でもあり、更にはこれより作詩を勉強したいと思っている方も多く、中にはかなりの年季の入っている方も多いと思います。

現代の吟界は錬成会やコンクールの他、吟詠剣詩舞大会を年々開催する中で何十周年を記念する賀会が全国到る所で開かれ、一門の融和と団結を図り更に明日への発展を祈念して盛大に行われています。

その中で絢爛たる舞台効果を企画した構成番組や運営こ英知を傾けた努力に対し敬意を表すると共に、その会派の趨勢を窺うところです。

先日は広島において国民文化祭全国吟詠剣詩舞道祭が開催され合吟一四〇〇名と名流吟剣詩舞家の競演で素晴しい盛況ぶりでした。

又、先般、愛媛総連盟五十周年大会では詩題は合吟も構成吟も愛媛の先哲の詠じた新しい詩を網羅し、その演出と発表に皆苦労しましたが、このプログラムに九頁に亘って賀詩九十八首が掲載された事ま吟界未曽有の試みだったと思います。

吟詠家でかつ漢詩家たるものは、その時、その場の感懐を賦し発表するのが使命であると思うが故に私は年間百首以上、拙詩書ながら呈上しています。各位も機会のある度こ大会賀詩を大いに作って下さい。

 

二、大会賀詩の作り方

今回、全国各地より各流、各派の何周年大会の賀詩が応募されて来ましたが、起承転結の構成がまずく、大会の場所や背景、過去の会の沿革、大会情況が入り乱れて一貫性のないものが多く見受けられました。その要領は

(イ) 起承句で時候、場所の背景を述べ

(ロ) 転結で吟剣詩舞の澄刺とした情景を述べるとまとまります。

 

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