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平田さんの今後のテーマなどはありますか?

松永 「とにかく明るく、のびのびと若者らしく詩舞に取り組んでほしいと思います」

 

詩舞のどんなところに魅力を感じる?

平田 「踊り方しだいで内容が変わるところが面白いですし、自分の詩に対する思いによって踊り方も変わり、表情も違うので、自分が表現していると感じるところです」

自分らしさが出せる?

平田 「はい、そうです」

今回、「早(つと)に白帝城を発す」を選ばれた理由は何ですか?

藤上 「これは私どもの流派にはない課題曲で、よい機会だから作ろうと思いまして選びました。とくに難しかったのは、猿の鳴き声が悲しいとありますが、なぜ猿の声が悲しいのか、船がくだるところでは、かなりのスピードでくだっており、それは喜びの躍動感なのか、いろいろ考えるところがありました」

ご宗家の苦労を知っている?

平田 「いえ(笑)。詩の内容を理解するので精一杯でしたから」(笑)

今回は新しいものへのチャレンジですか?

藤上 「はい、そうですね。それにコンクールというのはありがたいものです。いろいろな流派の方が優れた振り付けをしますから、それを盗みにくるのも我々の仕事ですね」

ところでご両親は剣詩舞をしているの?

平田 「していません」

ご両親は剣詩舞のことで、何か言う?

平田 「とくに言いませんが、今日東京へ来るとき、がんばって、と言われました」

学校の友達は知っているの?

平田 「親しい友達は詩舞をしていることを知っていますし、一度は見たいといっていますが、恥ずかしいのでいいよ、といってしまいます」(笑)

ぜひ、見せてあげてください?

平田 「はい」

藤上 「できればうちの詩舞の練習にも誘ってね」(笑)

ご宗家のところは若い人が多いですね?

藤上 「わりあい多いと思います」

優勝するとみんなの憧れになるね?

松永 「でも、うちの練習場ではみんな横一線で、楽しく練習するので、平田陽子だけがアイドルとか、そういうことはありません」

受験のときは練習と勉強で大変だった?

平田 「はい、大変でした。でも、どちらにも偏らないようにしたつもりです」

松永 「田中先生が、いつも学校が一番ですと教えてくださっていますから、本人もそのつもりでやっていたでしょう」

藤上 「家庭の主婦なら家を大切にしなければ、練習もできなくなりますから、まず家のこと、次に剣詩舞があるという考え方です」

中学と高校では考えに変化があった?

平田 「中学のときは勉強も踊りも深く考えず、自分のしたいことだけをしていましたが、高校に入ってやらなければいけないことが増えて大変ですが、勉強もがんばりたいと思いますし、踊りも練習は疲れるけれど(笑)、本番が終わったあとの喜びを思うと、がんばろうという気になりました」

いま充実感を感じているんだ?

平田 「はい、感じますね」

最後になりますが、平田さんへのアドバイスなどがありましたらお願いします?

藤上 「いつも言っていることですが、すくすくと素直に成長し、その素直さで踊りにも取り組んでほしいと思います。理屈よりも楽しむことでしょうね」

松永 「十六歳の女の子らしく、詩舞に取り組んでください」

平田さんは何かありますか?

平田 「優勝したから偉いとかではなく、友達も合め、これからも今まで通りやっていきたいと思います」

お忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございます。これからもがんばってください。

 

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優勝トロフィーを前に、藤上南山宗家と喜びの握手する平田陽子さん

 

 

 

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