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意見交換会では活発な質疑がかわされた

 

つづいて各班の代表から意見発表が行なわれました。一班は「若い人たちへの種蒔きと、スターづくりの必要性」、二班は「文部省へ、中・高生の授業に漢詩のカリキュラムを取り入れることの働きかけ」、三班は「自作漢詩の発表で漢詩と親しむ」こと、四班は「CD伴奏の種類を増やす」こと、五班は「学校の先生が漢文を知らない時代で、世代間ギャップが広がっている」こと、六班は「初心者用のオリジナル伴奏の必要性」、七班は「指導者を指導してくれる機会を、もっと設ける」こと、八班は「少年だけの教場を作るのはどうか」ということ、九班は「吟詠をしている親や家族を誘う」、十班は「吟詠PRのため、TV放映の中止は止めて欲しい」、十一班は「CD伴奏とコンダクターの音が違う」こと、十二班は「若い人には親しみやすいお稽古から始める」など、活発な意見が述べられました。そのどれもが、今の吟詠界を真剣こ考えるからこそ出てきた言葉として、世話役の方々も真剣な面持ちで聞き入っていました。

午前中の最後の課業となったのは、岡村精二先生による「さわやかに生きる」でした。岡村先生のユーモアたっぷりの話し振りに受講者も大笑い。緊張感のなかにも和らいだ空気が流れた講義でした。

昼食をはさんで、午後は舩利夫先生による「吟詠の発声法―その理論と実際」。つづいて笹川鎮江会長もお元気に参加された「研修吟詠」が行なわれました。厳しい指導振りで知られる舩川先生の研修吟詠は、単に厳しいだけではなく、吟詠向上につながる実のある内容で、みなさんの大いに参考となったことでしょう。同時に、笹川鎮江会長の的確な批評は、さすがと思わせるものがあり、一聴に値するものでした。

夕食後は石川健次郎先生による「吟詠家の舞台動作」の講義が行なわれました。吟詠の聞かせ方や見せ方はどうすればよいのかなど、吟詠の舞台にも芸術性が必要であることを力説されていました。

 

七月三十日(日)

午前中は「意見交換その二」が行なわれ、前日に続いて活発な議論が繰り広げられました。その後、モーターボート試乗を含んだ散策時間が設けられており、思い思いに楽しいひと時を過ごしていました。閉講式では笹川鎮江会長が同席して修了証書が手渡され、平成十二年度夏季吟道大学は実り多いなか、無事修了することができました。みなさんがここで学んだことは、これからの吟道に必ずや役立つことでしょうし、地元に戻ってお弟子さんなどに教えることで、財団の目指す芸術的吟詠はさらなる広がりを見せることでしょう。

 

平成十二年度夏季吟道大学受講者一覧

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