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明日への提言

 

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笹川鎮江

 

本誌、榊原静山先生著「詩舞のための日本人物史」の(一〇〇人目の人物は乃木将軍となりました

 

本誌、榊原静山先生著「詩舞のための日本人物史」の一〇〇人目の人物は、乃木将軍こと、明治時代の陸軍大将・乃木希典が掲載されることになりました。

乃木将軍は、日露戦争の第三軍指令官として旅順攻囲作戦を指揮したこと、のちに学習院院長を務められ、明治天皇の大葬の夜、夫人を伴って殉死を遂げられたことで知られていますが、私たち吟剣詩舞道家にとっては、乃木将軍が作られた多くの漢詩や和歌によって、切っても切れない関係にあるといえるのでございます。

乃木将軍の漢詩は、毎秋恒例の武道館大会の合吟コンクール指定吟題にも必ずといっていいほど一つは採用され、毎年、多くのチームがこれを選ばれているようです。今年の指定吟題にも「法庫門営中の作」が選ばれています。

昨年は、乃木将軍の生誕百五十周年でしたが、平成元年の生誕百四十周年には、財団自主テレビで「乃木将軍の詩(うた)」を制作し、全国放映しました。当時はテレビ番組の始めに笹川良一財団創始会長の対談がありました。この番組の対談でアナウンサーの「乃木将軍は武人と文人を兼ね備えた文武両道の人だったのですね」という問いかけに答えた主人は「それも並みの武人ではありませんよ。私が昔の軍人の中で、いちばん尊敬しているのは乃本将軍です」と大きくうなずいていたことを思い出しました。

私も乃木将軍の漢詩や和歌の多くを愛吟し、レコーディングもさせていただきましたが、これら将軍の自作詩や、将軍の忠誠を称える詩歌の数々は、これからも多くの人々の心に深く刻まれ詠(うた)い続けられていくものと思っております。

 

 

 

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