吟剣詩舞だより
大阪学芸高等学校入学式
平成十二年度大阪学芸高等学校入学式は、四月七日(金)午前十時より同校体育館で開始されました。二九九名の新入生、来賓、保護者などを前に校祖遠藤三吉先生の学園創立短歌を同校詩吟部々員四名が吟じ満場の拍手を受けました。生徒の胸に“吟”と記した、そろいの衣装を着て心を一つにした吟は、新入生の胸こしみじみと響きました。これまで同校詩吟部は、吟詠剣詩舞の名だたる大会に毎回出場している大変熱心なクラブです。全国高等学校総合文化祭にはすでに十三回出場し、毎回、個人の部、団体の部ともに全国表彰を受賞するなど活躍しています。詩吟の独特な雰囲気の入学式に新入生一同、新たな門出を感じていたようです。
指揮者の鍋谷安宏学園常務理事は、四月一日付高等学校副校長に就任、大変喜ばしい反面、クラブ指導が困難となり、そのうえ三年生が卒業した直後で部員数が大変少なく詩吟部としてはピンチの状態です。しかし、部員の活動意欲は高くOB会としてもなんとか吟の指導だけでも手助けをと考えています。
(文責 高木康永)
「小さなコンサート」が岡山県芸術文化賞に輝く
五月二十二日(月)午前十時から、岡山県庁で、第一回岡山県芸術文化賞の表彰式が行われ、第二十回小さなコンサート『吟―その伝統と創作の世界』が、準グランプリを受賞しました。
これは、一九九九年一月から二〇〇〇年三月までに発表された県内の全ての芸術文化、つまり洋楽、邦楽、美術、舞踊、演劇、文芸などから、グランプリ三件、準グランプリ十件、特別賞二件が選ばれたものです。今回が初回なので特別に十五ヵ月という長期から選考されましたが、次回からは、四月から三月まで一年の作品群が選考対象となります。
この賞のコンセプトは「伝統的な作品を大切にするとともに、創造する力を見出し励ますこと」といいますから、今回の小さなコンサトのテーマ『吟―その伝統と創作の世界』はまさに、この賞のコンセプト通りということになります。詩吟が邦楽の一ジャンルであり、芸術と呼ばれるにふさわしいと岡山県が認めた上での表彰であり、この点を全国の吟詠剣詩舞愛好家のみなさんに喜んでいただきたいと思います。賞状とシンボルマークのレリーフを配した盾、副賞三万円が授与されました。
小さなコンサートは毎回財団からご後援をいただくとともに、各上演地の県総連の先生方の御厚志に支えられてここまで続いてきたものです。二十回という節目の年にあたり地元で開演しました。
一番の聞きどころは、何といってもオーケストラと共演したことでしょう。オープニングの『月夜荒城の曲を聞く』では何と吟詠百九名、詩舞三十一名、伴奏にオーケストラ十九名、箏、尺八、指揮者が板に乗るという追力ある舞台でした。つぎに吟詠は、辰巳快水少壮吟士等、剣詩舞には全国コンクール優勝経験者、原義家さん等の出演をお願いし、目の離せない舞台が続きました。その後、第一部のしめくくりとなった、神坂真理子作曲の群舞用改訂版『木蘭詩』となりました。
第二部は、日本吟詠の古い旋律の復元を、秀平克泉少壮吟士等による『蒙古来』と関心流上席大師範大串克洲さんによる『笠山楠木中将の歌』で試み、最後の曲、川崎絵都夫作編曲『長恨歌』へと移りました。中尾仁泉少壮吟士の玄宗、河田?瑤陵無?泙如▲?璽吋好肇蕕鬟丱奪?剖磴顕里こ遒銚譴蝓△靴道予淑?魃蕕犬?蠅泙靴拭」
小さなコンサートは、二〇〇四年三月こ、十周年をむかえます。四年計画でミュージカルができる人材を養成し、十周年には詩吟ミュージカルに挑戦する予定です。どうかますますのご支援と、ご理解をよろしくお願い申し上げます。
(河田??
編集部より=この副賞金三万円は、当財団青少年育成基金にご寄付いただきました。ありがとうございました。