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吟剣詩部の若人に聞く

第二十二回

 

詩吟家族の絆が育てた、明朗闊達で豊かな才能。

 

家族全員が吟詠を嗜む詩吟一家に生まれた米本倫子さん、理解と環境に恵まれ、これからの活躍がさらに楽しみな倫子さんと、ご家族にお話をうかがいました。

 

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米本倫子さん

 

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写真右より師の河田神泉さん、米本敬子さん(母)、倫子さん、稔彦さん(父)、憲一さん(兄)、訓子さん(妹)

 

米本倫子さん(十歳) (平成十一年度全国吟詠コンクール決勝大会幼年の部二位)

父…米本稔彦(覇泉)さん

母…米本敬子(耿泉)さん

兄…米本憲一さん

妹…米本訓子さん

宗範…河田神泉さん(社団法人哲泉流目本吟詠協会)

 

詩吟をはじめたのはいつ?

倫子 「四歳の時からです」

ご両親も詩吟をやられていますね?

稔彦・敬子 「はい」

それで、詩吟をやらせようと思ったのですか?

敬子 「とくに、そういうことは思っていませんでした。ただ、家族で詩吟をする家庭環境ですので、子供がお腹にいる時から詩吟は聴いていたと思いますし(笑)、自然にそうなったのではないでしょうか」

倫子 「周りがやっているので、やろうと思いました」

やると言われたときは、どんな気持ちでしたか?

敬子 「家族の共通の話題ができますし、みんなも理解があるので、すごくよいことだと思いました」

稔彦 「家族全員でできることが、何より嬉しいですね」

自分の子供を教えるのは、いかがですか?

敬子 「どうしても甘さが出てしまうのではないかと思い、はじめは他の先生に教えてもらっていたこともありました。そのおかげで、挨拶を含め吟に対して前向きになったように思います」

吟を本格的にはじめて、どんな感じだった?

倫子 「難しいなと思いましたが、今はお母さんがやっているのと同じようなつもりで吟じています」

お稽古は厳しいですか?

倫子 「時々」(笑)

注意される点は何?

倫子 「今は伴奏テープだから流れにあわせて吟じることだとか、声を大きく出すところは、きちんと出すようにすることなどです」

注意された点が自分ではできていると思う?

倫子 「よくわかりません」(笑)

憲一くんも詩吟をしていますね?

憲一 「はい。でも今は声変わりで休んでいます」(笑)

お母さんから見て倫子ちゃんの印象は?

敬子 「この子に音楽的な素養があるなと感じたのは、私がレコーディングなどでスタジオに一緒に連れて行くと、吟詠を聞いていて、あそこがよくなかったね、と厳しい批評を言った時です。それで、よく聴いているなと感心したものです。また、自分でもユリとかを研究したり、一生懸命に詩吟を聴いたりする子で、そういうひたむきさが特長ではないでしょうか」

 

決勝大会は初めて出たの?

倫子 「いいえ、二回目です」

初めての時はどうだった?

倫子 「舞台へ出る前に気分が悪くなって、少し戻してしまい、それで音程がはずれてだめでした。緊張しすぎました」

緊張するタイプ?

倫子 「はい」(笑)

 

 

 

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