伊藤竹外先生プロフィール
愛媛漢詩連盟会長(16吟社、会員200名、毎月指導、添削)、六六庵吟詠会総本部会長(吟歴58年)、財団公認愛媛県吟剣詩舞道総連盟理事長、財団法人日本吟剣詩舞振興会理事
平成5年 文部大臣地域文化功労賞
平成8年 財団吟剣詩舞大賞功労賞
著書 豫州漢詩集(編著)、南海風雅集(編著)(2版)、漢詩入門の手引き(9版)他。
一、構成吟の詩題について
吟剣詩舞界がこれまで発展して来たのは、各流、各派それぞれが大会を開催し、その中で団結と技術の錬磨を図ってきたことによるものと思います。そうして現在の大会が各種番組の中で芸術的表現を試みんとして構成吟舞に新機軸を求め、従来の独吟コンクールから脱皮しようとしていることは将来大いに期待する所であります。
唯、惜しむらくは構想に適した素材の漢詩を得ることがむつかしいため、従来繰り返してきた吟題を寄せ集め、又誰にも知られていないむつかしい漢詩を選んでいることから、一詩から次の一詩に移る必然性の為に、長々と解説を加える所謂「詩吟物語り」形式が多く陳套の域を脱していないことです。
そこで現代漢詩家による新しい素材の提供を以って新しい構成吟を期待しますが故に、これまでも色々と課題を変えて作詩を促して来ました。今回の勤皇志士の詩を募集したのもその一環にあります。
さて全国から投稿された詩稿を拝見するに新しく且つすぐれた作品の得難さを痛感されました。
特に劇的な生涯を終えた志士の特徴を捉え他に感動を与えることは至難の技かも知れませんが、現代作詩家として今後も努力を続けて頂きたいものと念願してやみません。

