1] 期待ほど人口が増えなかった
「効果がなかった」と回答した市町村であげられている理由としては、「期待したほど人口が増えなかった」という理由がもっとも多かった。各市町村の当初の目標が、どれだけであったのかは不明だが、当初期待をかけていたほどUIターン者が見られなかったところが多いようである。また、「UIターン者が少ないがゆえに効果がはっきりしない」という回答もあった。
2] 高齢者が多かった
その他に比較的目立ったのは、高齢UIターン者に対する否定的な反応である。「UIターン者はいるのだが、高齢者のために地域づくりにはそれほど効果がなかった」とする意見や、「定年退職者ではUIターンしてきても農業を少しやるだけで地域全体の活性化にはつながっていない」「医療費ばかりかかってしまう」「少子高齢化の対策にならない」などの、否定的な見解を示す市町村が複数見られた。
3] 当初から期待していない
また、最初からUIターン、特にIターンをあきらめてしまっている市町村も少なくない。たとえば、「特徴がほとんどないのでIターンは期待できない」や「UIターンしても就職の場がないために定住してくれない」といった意見が見られた。同様に、UIターン者が来てもそれを上回る転出があるため、少しくらいUIターンがあっても意味がない、といった趣旨の回答もあった。
4]期待した質のUIターン者が集まらない
UIターン者に期待した質に関しての意見も少なからず回答があった。「人材が確保できなかった」、「目的どおりの効果があがっていない」、「地域に目に見える変化がなかった」などの意見である。「人材が確保できなかった」という回答は、UIターン者に対し、地域づくりのリーダー役や起業家、専門技術者など、比較的高度な期待を寄せていたような場合に、多いようである。「目的どおりの効果があがっていない」というのは、農林業や商工業の活性化などにUIターン者の力を期待していたのに対し、その期待どおりではなかったようなケースでの回答だった。
5] UIターン者が地域に関わってくれない
また、UIターン者の地域へのかかわり方に対する意見も見られる。主なところでは、「地域に溶け込めない」、「旧来からの住民と交流がない」、「地域づくりに積極的にかかわってくれない」などの回答がそうである。UIターン者も地域の一員として地域にかかわってほしい、あるいは地域を変えたり、従来からの住民の意識変革をもたらすなど、期待の気持ちが大きいからこそ出てくる意見といえる。
6] 受け入れ体制が整っていない
受け入れる市町村側の課題から「効果がなかった」とする意見も見られる。
「就業の場が自市町村内にない」、「UIターン者が持つノウハウや技術を生かしきれていない」、「UIターン者を組織化し地域づくりにかかわってもらうことができなかった」、「その場限りの単発の取り組みしかしてこなかった」、「住宅の確保が難しい」などがそうである。自市町村の受け入れに対する姿勢や体制が整っていれば、効果が期待されるようなケースがあげられている。