新得町の農業は、畑作が中心であるため、1戸あたりの経営規模は非常に大きく、新規参入者が、既存農家から農地を買い受けようとしても、なかなか資金の手当がつかずにあきらめざるを得ないケースも多い。
新得町の制度の場合、大規模畑作農家も視野に入れているが、農家の経営種別を4つに分類し、1.畑作、2.酪農、3.肉牛、4.しいたけ、とし、幅広い種目を対象としているのが特徴となっている。しいたけは、通常、特用林産物であり、農業の対象とはならないが、支援する範囲を広く設定することで、なるべく多くの参入者をカバーできるように工夫している。
また、これとあわせて、町では約20000m2の広さのしいたけ生産団地を造成する予定である。完成予定は平成13年度中で、団地内は4区画に区分される。この団地は、しいたけ栽培に取り組もうとする人たちの初期投資をなるべく少なくしようとするための施策で、4区画のうち3区画を新規就農者が借りる予定となっている。
(2) 受け入れ体制の整備
1) 宅地分譲(屈足地区、上佐幌地区)
人口が減少傾向にある屈足地区に宅地を造成、分譲することで、定住を促進させ、地域6の振興、活性化を図ろうとしたものである。
町では、平成11年度に33区画分譲し、坪5000円台の格安の価格が評判を呼び、即日完売となった。平成12年度には、その隣接地に27区画を整備し、2次分譲した結果、こちらもほぼ完売の状況となっている。平成11年度の第1期分譲は、200名もの応募が殺到し、区画によっては、15倍もの倍率となった区画もあった。1区画当たり最小で約106坪、最大で約186坪と区画面積も広く、分譲地内には果樹を植えた緑地帯も整備されている。
これだけ人気がでたのは、思い切った低価格で売り出したことと、それにマスコミが呼応して、番組や記事などで取り上げてくれたことなどによるという。PR方法としては、新聞社・テレビ局へのPRパンフレットの配布、広報誌・町ホームページへの掲載、町内・帯広市内公共施設・宿泊施設へのパンフレット配置、問い合わせ者・第一次落選者へのパンフレット配布、町出身者の集まりである「新得ふるさと会」を通じたパンフレット配布などの形をとった。
この分譲地を購入した人たちの現住所の内訳は、次の通りである。これによれば、60区画のうち町内からの移住は15区画のみで、40世帯以上は町外からの購入者となっている。購入した人たちは、平成16年度までに、第1次分譲購入者で15坪、第2次分譲購入者で20坪以上の住居を建てることが条件となっている。なお、この分譲地は、先に見た「持ち家住宅促進要項」の対象となるため、住宅にかかる固定資産税相当額の助成を5年間受けることが可能となっている。