III. 国際ソーシャルワーカーの人材育成、研修、実習、調査研究事業
1. 国際ソーシャルワーカーの人材育成
◆カンボジアにおける人材育成プログラム◆
ISSJは「郵政事業庁国際ボランティア貯金に係る寄付金」の配分を受け、カンボジアの首都プノンペンの郊外にあるチョムロンパル村に子どものデイ・ケア・センター「プテア・ニョニョム・にこにこの家」(以下プテア・ニヨニョム)を建設・運営し、カンボジア人ソーシャルワーカー4名の育成を平成8年より行っている。今年度は、徐々に地域に根付いてきたこのプテア・ニョニョムを継続し、よりよいものへと発展させていくため、改めてチャムロンパル村に住む人々にアンケート調査を実施し、その実態とニーズを再確認した。プテア・ニョニョムのプログラムは大きな2つの大きな柱からなっており、一つは子ども達がプテア・ニョニョムへ来所して行われる教育プログラムで、識字・算数・衛生・栄養・情操教育などである。もう一つはスタッフがプテア・ニョニョムの外にでて、村の各地域を回り、子ども達の親や住民を対象に主に衛生・栄養に関する知識を教える家庭訪問プログラムである。現地スタッフはNGO活動を行っている他の機関とも連携をはかり、地域の人々に常に新しい知識を提供するよう心掛けている。今年度は、栄養不良児が目立つチャムロンパル村で、特に妊婦と幼い子どもを持つ母親対象に、効果的に写真入のボードなどを使って子育ての方法や栄養の講義を行い、母親達から好評を得ている。また、活動範囲を広げ女子・青少年刑務所への慰安訪問を行ったり、他の機関から専門家を招きプテア・ニョニョムの子ども達ヘカンボジアの伝統舞踊を教えたり、戦争により失われた自国の文化に触れる機会を作ることができた。
