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表2-38 表層水、深層水に含有される栄養学的組成

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分析:(財)食品薬品安全センター秦野研究所

 

5. まとめ

今回の試験結果は、海水に含有される微量成分を濃縮するため飽和海水を分析試験に使用した。しかし、飽和海水を使用しているため高濃度の食塩が成分の分析試験の精度に不安定要因となっている可能性がある。例えば、食塩のイオンが幾分かの成分を巻き込んで結合し、沈殿している場合等が考えられる。次回はNaClを排除したサンプルでの試験を予定したい。

上記の条件のもとに試験結果では、有機成分の痕跡は表層水においても2つの深層水においても見られなかった。タンパク質等と同時に、次回は核酸成分の試験を行う必要がある。

これらの試験結果から、栄養食品検査に用いられる試験的な手法においては、深層水は有機的な成分を含有していないと見られる。ただし表中の、ある炭水化物は炭水化物含有量を100gの濃縮海水から、水分、タンパク質、脂質、及び灰分の含有量の合計を差し引いた残余の重量として計算した計算上の数値である。この仮定の条件下からでも、表層水から深層水に至る13.1gから7.9gに減少している現象が見られ、炭水化物に関連する有機物には深層に行くに従い減少し、深層水がクリーンであることを示している。従って、サンプル中の水分量も深層に移行するに従い増加する傾向にある。

また実際に灰分の測定では、濃縮された表層水100g中に21.4g含有されているのに対し、深度600mの海水では23.Og、深度1400mの海水では23.3gの含有量を示し、深度が増すにつれて次第に灰分が増加しているのが明らかである。このことは、深層水が重要なミネラル等の栄養素を十分に含んでいることを実証している。

今回採用した試験方法では、深層水のみならず表層水にも生物の存在を認めなかったことになる。特に、表層水では極微量の藻類等のため炭水化物量が検出されたが、更に微量のタンパク質は今回の試験では検出できなかったと見られる。

飽和海水のpHは7.3から7.4の範囲にあり、濃縮海水では正確なpHを測定するのが困難である。

 

 

 

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