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実験条件(4)に近いものに実験条件(2)があるが、表層水に例え超微量ではあっても、中層水や深層水が入ると、鞭毛藻類の密度が僅かに増えるのが特徴である。

実験条件(1)、(3)も、表層水のみの結果と基本的な差は無いことが理解される。つまり、条件を変化させても珪藻類と鞭毛藻類は発生してくる。鞭毛藻類が発生しないのは100%中層水と深層水の場合だけである。

珪藻類と鞭毛藻類は発生場所が異なる。珪藻類はシャーレの底の方に、鞭毛藻類は珪藻類より僅かに上に発生して棲み分けをしているのが特徴である。

実験条件(3)のUM-6とUD-6だけは他とは異なり、珪藻類や鞭毛藻類以外に動物性プランクトンらしき物が発生していた。このプランクトンを写真2に示した。これらいずれのプランクトンも種の同定はできていない。

以上は実験スタートから丁度一ヶ月の結果である。珪藻類と鞭毛藻類の様子を写真2-11と2-12に示した。写真2-11の3枚の連続写真は藻類上で鞭毛藻類が次々に誕生している様子と、一匹の鞭毛藻類が藻類から離れて、系外に出て行く様子が偶然に撮れた。似たような状態は写真2-12に示した。写真2-13は実験条件(1)1-3、写真2-14は実験条件(1)2-3、写真2-15は実験条件(1)2-4、写真2-16は実験条件(1)2の5、写真2-17は実験条件(3)UM-1である。

鞭毛藻類が形成されていく過程と思われる貴重な写真が撮れた。それを写真2-18に示した。この写真の右下に鞭毛藻類ができかかっていく途中の様子を示していると思われる。

これは実験条件(3)のUD-1である。これと同様のものが写真2-19に示した。これは実験条件(1)の3-1である。この写真中央部は自分の体に回りのパーツを集中的に集めながら最外殻の細胞壁を形成しているようにみえる。この写真の右側にはパーツの集まっているところがみえる。写真2-20には2〜3ミクロンのパーツを示した。これは実験条件(1)の1-4である。実験スタートから80日経過すると写真2-11や写真2-14のような藻類と鞭毛藻類が共存することはなく写真2-18以降の様に、棲み分け後の変化しか観測されない。

珪藻類の発生の様子は全く観測にはかかっていないが、珪藻類ができる前には写真2-21のような一見結晶のようなものが多量に発生している。また時には写真2-22のように結晶状のものと、それとはかなり違った線状のものができながら突如として写真中央の上部及び右下のような藻類が発生してくる。

 

 

 

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