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表2-35 各層の海水の混合による組み合わせ(実験条件3)

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表2-36 各層の海水の混合による組み合わせ(実験条件4)

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5. 実験結果

実験条件(4)の表層水、中層水、深層水それぞれ100%の典型的な例から述べる。

表層水100%の場合は、栄養塩が無いために植物プランクトンの発生がほとんど期待できないと思われた。しかし、実験開始から19日目には数は非常に少ないが一種の鞭毛藻類と思われる植物プランクトンが発生していた。これを写真1に示した。さらに、一ヵ月後には鞭毛藻類の他に珪藻類と思われる植物プランクトンが発生していた。

中層水と深層水は栄養塩に富んでいるにも拘らず、藻類は発生せずに微生物様のものしか観察できなかった。一ヵ月後には珪藻類のみで鞭毛類は発生してこなかった。

この実験は非常に重要である。栄養塩が無くても植物プランクトンは発生するということである。栄養塩の豊富な中層水や深層水からは約80日たってようやく珪藻類の植物プランクトンが発生してくる。

 

 

 

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