入所者ご家族へのお願い
痴呆性老人は、否定されること、叱責されることが一番のストレスとなります。
尊敬していたお父様、しっかり者だったお母様や家族の一員が、ある日、訳の分からない事を言い出されたら、誰もが困惑して、「どうしたの、何を言い出すの?」と、ついつい口調が荒くなってしまうのは、どのご家族にも共通している事のようです。
しかし、今こそご家族が痴呆というものを理解し、本人のストレスを少しでも軽くしてさしあげる対応が、必要な時ではないかと思います。
痴呆性老人の特徴と対応の方法を記してみましたので、参考にしていただければと思います。
1)痴呆予備群
客観的判断が出来なくなり、重要な約束は忘れるが、日常の買い物やしはらいは出来る状態。
・同じ事を何回も繰り返して言う会話が目立つ
・約束した日時を、間違えたり忘れたりする事が頻繁に起こる
・客観的判断が出来なくなり、自己中心的な思いで物事を判断するようになる
2)軽度痴呆
日常の複雑な精神活動が出来なくなり、金銭トラブルや買い物ミスが目立ち、精神的不安であるが、着替えや入浴は可能な時期。
・日を替えて同じ物を何個も買ってしまう
・置き忘れては、物がなくなったと訴えることが多い
・被害妄想がでてくる
・精神的不安を訴える事が多くなる
3)中度痴呆
日常の生活での基本的生活が障害され、着替えや買い物に介護が必要で、洗面や入浴を忘れ、感情障害が出現し家族とのトラブルが多い。
・声をかけないと、同じ物を何日でもきていたり、今着きたものをすぐ着替えると言い出したり、常識からはみ出した行動が見られる。
・清潔を維持しようとする意欲が見られなくなり、洗面を忘れたり入浴を拒否するようになり、無理矢理させようとすれば興奮状態を引き起こし、家族とのトラブルが絶えなくなる
・ご飯を食べていない、お金を盗られた等の訴えがでてくる
4)重度痴呆
便・尿失禁が頻繁にみられ、服も着れなくなり、入浴にも介助を要し、トイレの水を流さない、パジャマの重ね着をする、靴ひもが結べない等、日常生活全般に何らかの介助が必要となる。
・不安や焦燥感が強く、幻覚や妄想が現れ、誰もいないのに人が立っているとか、誰かがわたしを殺そうとしている等、不安そうにしている事が多い。
5)痴呆末期
失語、歩行障害、意識障害が出現してくる時期で有り、意味のない言葉や、ぶつぶつ独り言をいい、歩行困難・笑顔の消失が極めて高度で、外部からの刺激に対して、声を出す程度となり、食事、転倒、発熱、肺炎などにより死を招く。