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酸性雨のもたらす植物への影響

山田理紗

 

環境問題のひとつとして『酸性雨』の問題が知られています。酸性雨は緑のペストなどと言われていますが、私は酸性雨がどのように植物に影響を与えるのか興味をもちました。

そこで、まず酸性雨はどのように植物細胞に影響するのか調べる実験を行いました。H2SO4、HNO3(3段階にpHを設定)を用意し、それを植物に噴霧したり、または葉や花の断片をそれらの溶液に浸したりしました。次に、酸性雨と土壌の関係を調べるために次のような実験を行いました。一定のpHに設定したH2SO4で脱脂綿と土をそれぞれ湿らせ、これら各々において発芽実験を行いました。また、様々な場所で採取した土に(11サンプル用意)一定のpHのH2SO4を注ぎ、もとのpHとの変化を観察し、土壌の緩衝作用を調べました。いずれの実験も条件をそろえるために恒温器を用いて温度を一定に保ちました。

これらの実験の結果から、酸性雨は葉緑素を破壊することが明らかになりました。また、発芽実験より酸性雨が根にも影響を与える事がわかりました。そして、土壌との関係については、日本の土壌の酸性雨に対する緩衝作用は高いということが明らかになりました。今回の実験と読んだ資料から、酸性雨の植物に対する影響は単純な問題ではなく様々な要因が複雑に重なって起きるものだということがということがわかりました。

 

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