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フィトンチッドの効用

中村貴子

 

私は「フィトンチッドの効用」と題して、私達が自然、特に樹木から得られる恵みに関して調べました。

今回このテーマを取り上げるにあたって、私は「草木染め」と「エッセンシャルオイル」と言う2点を特にとりあげました。

まず草木染めに関してはとにかく実践と言うことで、桜を皮切りに梅、椿、木蓮、柿、杏など数種を染めました。その中でもその植物に応じた使用する部位の違いによる色の変化、また異なる金属イオンを使うことによって発色の違いなどが生じ、遥かに予想をこえたものとなってしまい、特に青色の発色についてはのちに多くの課題を残すところとなりました。

次のエッセンシャルオイルについても実際に取り出してみようと、水蒸気蒸留によって松やユーカリなどから精油をとりだしました。収率はなかなか高いものが得られたのですが、不純物が多く実際に売られでいるものとくらべるとひどいものでした。これも、煮出す温度などもっと改良の余地がありそうです。またこれは資料からなのですが、体の調子に応じて精油を使い分けることで症状が改善されることも調べました。データをとるまでにはいきませんでしたが、自分の生活の中で香りから安らぎをやることが出来ています。

たった2つの例ですが、そこからでも十分に、木が人知をはるかに超えて実に巧みに作られていることを改めて再確認することができました。可能であれば、これからもさらに詳しく研究していきたいと考えています。

 

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