植物 vs. 洗剤
道順麻貴子
毎日の生活にいまや数々の合成洗剤は必要不可欠だが、それらの廃液が植物にどのような影響を与えるのか、カイワレダイコンを使って実験をした。
実験には、私達の生活で最も使用頻度の高い、食器洗い用合成洗剤、洗濯用合成洗剤、そして環境にやさしいといわれる粉せっけんを使用し、それらのさまざまな濃度(10%、1%、0.1%:体積比)の水溶液中にカイワレダイコンの種をまき、一週間、変化の様子を観察した。
また更に、それら溶液に土を混ぜたもの、土を混ぜて10日間おいたものでも同様に実験し、土によって、洗剤が植物に無害なものになるのか、また時間をおくことでその効果があがるのかも調べた。
結果は表の写真のとおり。角合成洗剤においては0.1%という低濃度でもほとんど生長していない。一方、粉せっけんに対しては、土による分解能力が大きいことがわかった。粉せっけん1%溶液に土を混ぜたもの、土を混ぜて10日間おいたものの結果を比べてほしい。10日間で分解が進んだことがわかる。合成洗剤に対しては、今回の10日間という期間ではめだった分解効果は見られなかった。
また、食器洗い用合成洗剤で“地球環境にやさしい”と表示されている商品についても同様の実験をおこなったが、今回調べた限りでは、普通の合成洗剤との違いはまったく見られなかった。以上の実験を2度繰り返したがいずれも同じ結果が得られた。
今回の実験から、環境への優しさという点では粉せっけんのほうがすぐれていることがわかったが、合成洗剤には、使用量が少なくてすむ、水に溶けやすく使いやすいという長所がある。これらの長所をうまく組み合わせていくことが今後の課題となった。