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泡に関する実験

片山光一

 

今回の研究は、金魚の水槽の中で上昇していく泡の軌道に興味をもって始めた。実際、よく見てみるとエアーストーンから出た泡が蛇行していることがわかると思う。

まず、実験装置としてメスシリンダーの中に液体を入れ、その中で先端に注射針をつけてエアーポンプから空気を噴出し、その様子をデジタルビデオカメラで撮影した。まず、液体の抵抗による変化を観察するために、4種類の粘度の異なる液体を使い、それらをさらに水で薄めて粘度を細かく変えてみた。

この実験では特に泡の拡がりに注目した。また、粘度を測定し水を1として逆数をとった。双方の値をグラフにしてみるとほぼ直線にのった。このことから、粘度と泡の拡がりに何らかの関係があることがわかった。原因はいろいろあると思われるが、粘度の大きな液体の泡による動きがある。実験の中で液体中に細かい粒子を入れてみると、高粘度では液体は対流し、低粘度だと液体はメスシリンダーの壁面に沿ってらせん状に上昇した。このことより、粘度が下がると底面に対して平行な力の成分が増えて横揺れが大きくなり、泡の拡がりも大きくなるのではないかと考えられる。

泡の動きには、粘度だけでなく重力をはじめとしていろいろな要素が絡み合っていると思われる。しかし、その中で、液体の粘度であらわされる抵抗がその動きに大きな影響を与えることが今回の実験でわかった。

 

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