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火で進む船ができるまで

岡杏菜

 

祖父に教わった樟脳舟のように、なにかユニークな原動力で進む舟を作ろうと思い、対流(具体的には火)を利用することを思いついた。舟は真っ直ぐ進み、アルミホイル製で屋根部分を自由に動かせるようにした。そして火とは異なり、対流を起こさないモーターを使った舟との比較も試みた。モーターは力が130、260、280の3種類を、また乾電池は単三2つを使用。

 

<実験1-屋根の角度の変化と進む距離の関係> 屋根の角度を0度、30度、45度、60度、70度、80度、90度と変えて、一定時間内に進む距離を測る。

(結果) 火の舟では30度と60度の角度のときに、モーターは3種類いずれの場合も60度のときに、進む距離が長い。

 

私はここで1つの仮説をたてた。

【仮説:火の場合、屋根を伝わった後の空気は暖かいので上昇する。一方モーターの場合、空気は暖かくないので上昇せずに、そのまま後方へ流れていく】

 

<実験2-屋根の長さの変化と進む距離の関係> 仮説を検証すべく、舟の重さ等他の条件は変えずに屋根の長さだけを変化させる。このとき屋根の角度は、火とモーター両方の舟を通して進む距離の長かった60度に固定し、モーターは効率良く進んだ260を用いる。

(結果) 予想通り火の舟に関しては屋根を伸ばすことによってどんどん進む距離が長くなり、モーターの舟に関してはバランスが悪くなっただけのようで逆に進む距離は短くなった。伸ばした屋根の長さは2.0cm、4.0cm、7.5cm、10cmの4通り。

 

 

 

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