はじめに
昨年11月1日、全国社会福祉協議会灘尾ホールで、創立60周年記念の集いを開催いたしました。全国からボランティアや読者の皆様が駆けつけてくださり、会場は400人を越す人で埋まりました。厚生省、東京都をはじめ、当館に関係のある大勢の方々から、たくさんの祝辞やお祝いを賜り、主催者として感激のひとときでした。さらに、作家の井上ひさしさんが、「江戸の小説」という講演で花を添えてくださいました。
当館は、昭和15年11月10日、現会長の本間一夫が、東京雑司が谷の借家に、点字書700冊をそろえて開館しました。当時25歳の若さでしたが、関西学院大学で英語を学んだ本間はロンドンに大点字図書館のあることを知り、ライフワークにしようと、学生時代から心に決めていたと言います。
この事業は、当初から社会事業家後藤静香の点訳奉仕運動に支えられ、順調に発展しました。太平洋戦争の間も、全国から点訳書が届けられ、疎開をしながらも図書館活動を続けることができました。
戦後、身体障害者福祉法に点字図書館が位置付けられ、昭和29年には、厚生省から助成金が支給されるようになりました。その後は、大勢の皆様に守られながら、中央館としての地歩を固めてまいりました。昭和33年には、テープライブフリーを併設し、昭和42年には盲人用具の製作・普及を始めました。
そして昨年度、「点字図書館等情報ネットワーク事業」を完成させ、全国の点字・録音図書目録の管理、各点字図書館の蔵書・貸出管理指導と、文字通り中央図書館としての役割を果たしております。
全国読者の期待に応えていくために、ますますサービスの向上に邁進する覚悟でございます。皆様におかれましても変わらぬお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
理事長 田中徹二