尿失禁用シーツや防臭用の布団についてもここで述べたいと思います。
パッド付きパンツには、パッドをパンツの外側から入れるタイプ(図25)と、パンツの中にパッドを固定するタイプ(図26)とがあります。また、2〜3回は洗濯して使えるディスポーザブル型のものと、洗濯可能な耐久性のものとがあります。
パッド付きパンツは一般に高価なために、耐久性のほうが普及しています。パッドに臭いを消す薬剤(活性炭など)を含ませた製品も発売されるようになりました。
この下着の適応は、自己導尿をしていて腹圧が加わったときにのみ少量の下着に尿がもれる人とか、腹圧性尿失禁でジャンプしたときや咳をしたときに少し尿がもれる人など、尿もれ量が少ない場合に適しています。ごく少量の尿もれには、尿吸収用の不織布を股の部分に縫いっけた型のパンツでもよいのですが、20〜30mlもれる人では、紙パッドを交換する型のものがよいでしょう。パッドの交換が容易な型は外部ポケット式のものですが、内部固定式に比べてパッドが動きやすく尿の脇もれを起こしやすいという欠点があります。
これら下着の特徴としては、温泉旅行や公衆浴場に行ったときに、パッドさえ外してしまえば普通の下着と見分けがつかないので、周りを気にしたり恥ずかしがったりしなくてすみます。
高分子ポリマーの導入によってパッドや紙おむつは、著しい進歩を遂げました。高分子ポリマーは水を含むと寒天状となり、尿を固めます。高分子ポリマーの入ったパッドやおむつを使いますと、おむつかぶれの予防にもなります。欠点としては、少し高価なことと、一度に多量の尿もれを起こす人には吸収が追いつかず脇もれの原因となることです。高分子ポリマーの入ったおむつは、焼却時に高熱を出して炉を傷めるために、一部の地方では回収を拒否しているようですが、最近の炉はこの焼却に対応できるようになっており、おむつ処理の問題は解決されつつあります。