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表3 問題解決法

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患者が持ってきた問題は何も解決されないで、病名のお土産と薬のお土産を持って帰っていきます。これが日本の診療パターンです。3分診療といわれる日本の医療では、患者の荷を降ろしてあげるのでもなく、一緒に荷物を支えてあげるのでもありません。患者のどこがどう悪いのか、その原因を解いていくプロセスが問題解決技法です。患者の問題というのは、その人の健康に関する問題すべてであって、病気に限った問題だけではありません。病気にかかった人は、病気が癒されるのに解決されなければならない事柄、すなわち解決への援助となるべき事柄を「問題」と呼びます。それはどこまでも生活する個人の問題、また病いと闘いつつあるその人の問題であります。問題を背負っている病人に、医師やナースは予防、診断、治療、およびケアの上で患者の援助を行うという使命をもっています。したがって、まずそれらの問題を析出して明らかにし、そして問題解決技法により問題を解決します。これを有効に行うには、問題をできるだけ明白に浮き出させ、その上で解決のために種々の道具を利用することが必要です。道具というのは、私たちの目や耳などの感覚器、患者に触る手、私たちの脳、そして検査データなどであって、それらのすべてを活用して問題解決を図るのです(表3)。

 

 

 

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