医療にかかわられるみなさんは、病む人を支えて医学や看護学を勉強すると同時に、患者さんの魂の支え手にならなくてはなりません。
私たちにはこれまで不十分なことがたくさんありました。それを何とか欠けることのないものにするためには、チームでそれに当たることを考えなければなりません。そのためには医師の仕事、看護の仕事、介護の仕事と分けるのではなく、どうずればよいケアを協力して提供することができるのかという観点から、どのような自分の知識やテクノロジーや優しいこころによって患者に対する愛を具現していくべきかということを考えていかなければなりません。
チームにとっての目標はひとつでなければなりません。チームの一人一人が、登山家がザイルでつながって頂上を目指していくように、同じ方向を見て、山を登っていくことです。そうすることによってよいケアを与えることができるのだということを胸において、よい看取りびとになられることを期待します。
本誌は2000年2月22日開催された(財)ライフ・プランニング・センター主催のセミナー「スピリチュアル・ペインと向き合うケア」の3講師の講演に加筆してまとめたものです。