3. 自己充足の破綻は確実にくる
このような自己充足的な生き方は確実に破綻を迎えます。
もちろん、自己充足もある一定の期間は続きます。しかし、必ず破綻するときがきます。そして、自己充足的な生活が破綻すると人生の危機を迎えるのです。
危機とは?
危機というのは、通常の対応や努力では解決することのできない状態のことです。人は、明日のことさえ正確には予測することはできません。いいえ、1時間先さえわからないのです。急激に変化しつづける現代社会では、いつ現状が急変するかは誰にもわかりません。事件に巻き込まれることも、またリストラや大病をわずらうことも急であることがほとんどです。
とくに、これまで自己充足的なあるいは偽りの万能感の中に浸りながら生活をしていると、自分自身の真の状態を正確に把握していませんから、これまでの状況を見直して新たに態勢を立て直して対応することができず、パニック状態に陥ってしまいます。その状態がまさに危機です。人生における危機を迎えることで、自己充足的な生き方に終止符が打たれるのです。
それでは、どうして自己充足的な生き方をするようになるのでしょうか。
子ども時代のしつけ
これは子ども時代までさかのぼることができます。私たちは子ども時代に転んだり、病気になったり、あるいは叱られたりしてさまざまな苦痛を経験しますが、健全な自立をするためにはどうしてもこのような苦痛を体験することが不可欠です。