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編集後記

 

児童福祉法の改正をはじめとする保育制度改革の流れの中で、保育所における乳児保育の一般化が進められています。児童福祉施設最低基準が改正され、保育士の数は乳児おおむね3人につき1人以上と明記されるようになりました。

従来、保育士の数は3歳未満児おおむね6人につき1人とされていましたが、全ての保育所で乳児保育を実施できる体制が整備されたということができます。いいかえれば、乳児保育は一般化されて、このことによって待機児童の解消につながることが期待されています。

保育所の社会的役割で最大のものは、「子育てと仕事の両立支援」ということができますが、乳幼児をもつ母親が社会に進出することを望んでも、子どもの保育所入所を待機させられるならば、自己実現を保障されていないことになります。

統計によれば待機率は低年齢児ほど高く、乳児保育のニーズへの対応の緊急性を訴える声が高まっていました。

「安心して子どもを生み、健やかに育てられる環境づくり」、いわば、子育てを社会的に支援するシステムとしての保育所は、「乳児保育の一般化」という前向きの姿勢を示すことによって、その存在意義を明らかにすることができるともいえます。

乳児保育のニーズは近年になるほど高まってきていますが、20年、30年前にも赤ちゃんを保育所に預けて働く母親は存在していたのです。

本書には、全国各地を代表する乳児保育の実施園の実践が収録されています。

 

 

 

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