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・母乳育児の取り組み

開設当初から母乳育児は、大切と考えておりましたが、多くは人工乳に頼って育児していた時代でした。乳児の要求が始まったら、母乳を待つより、ミルクをあげるというパターンがほとんどだったと思います。昭和60年、重いアレルギーのお子さんを引き受け、絶対母乳でなければいけないことがわかり、どの子も、やはり母乳が必要なのだと考えました。育児時間を昼の休憩時間と一緒にとるかたち、保育所で朝授乳し、職場へ行き、帰りに保育所で授乳して帰宅するパターンなど、その間、同じクラスのお母さん同士、友達関係ができて、とてもいいムードです。忙しい親、遠くへ行く親は、もちろん無理にとはいいません。できる範囲で、母乳をあげましょうということです。もちろん、人工乳のお子さんには、担当の保育士が、一人ひとりの欲求にあわせ、心をこめて授乳します(図1授乳状況)。

・昔ながらの日本の子育ての良さ「布おむつ」

開設以来、昔からのおむつ、布おむつの良さ、やさしさを続けています。おむつを取り替えるという保育士と赤ちゃんの関わりには、つねに子どもと向き合い、「おしっこ出たのね」「気持ち悪かったね」と言葉かけも自然に出てきます。この時、肌と肌のタッチングも赤ちゃんとのコミュニケーションになり、いつも自分を世話してくれる保育士の表情や声に、「愛されている」という満足感と安心感を持つ→信頼感につながっていくといえます。また、紙オムツで多いオムツかぶれも少なく、保育士、母親の心の通う育児が実を結び、心地よさ、悪さを排泄をとおして感じる月齢には、不快を訴えたり、知らせてくれるもとになります。しかし、多忙な母親にとっては負担が大きい、洗濯の時間を子どもと向き合う時間にしたいなどの思いから、紙オムツを使用したいという要望も出ているのが現実です。

 

 

 

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