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提案要旨

効果的な健康診断をめざして

−民間保育園長の立場から−

西山梢 (大阪市・都島東保育園長)

 

1. はじめに

改訂保育所保育指針において第12章が大幅に加筆され、改めて保育所保育において子どもの健康・安全について見直しが行われた。いうまでもなく、入所児は健康な子どもばかりではない。健康であっても体調をくずしている子ども、感染症などの病後であるとか、アトピー性皮膚炎の子どもなど一人一人の子どもの心身の状態や発達をふまえた、きめこまかな対応が保育現場に求められている。子どもの健康・安全に関しては保育の原点であり、園児受け入れに当たっては家庭・関連機関・とりわけ嘱託医との連携は欠かせない。

 

2. 保健活動の基本

保育所保育指針、総則の中で、子どもの最善の利益を考慮、子どもの福祉を積極的に増進するとある。また、保健活動に関しては、第12章第1項(1)〜(5)で子どもの健康に関するあらゆる配慮が示されている。家庭から離れて、一定時間を保育所で過ごす子どもに対して、命を守る保育に徹することはいうまでもない。

子どもの健康・安全を守るということは、保育者が危険の予防・救急処置を要する時などに、いかに的確に対応するかということであり、日頃から情報収集を行い、保育者全員の連携のもとに、訓練・研修を積んで、危機管理対策を常に講じて置くことである。

 

3. 健康診断の意義と今日的課題

健康診断は必ず医師がするものであるが、嘱託医の健康診断に際しては、保育者の関わりも大きい。常に、子どもの様子を観察し、記録し、健康状態を把握しておくことは保育者の役割であり、的確な記録のもとに、嘱託医の指導を受ける必要がある。健康診断に当たっては、子どもの家庭での養育の状況や保護者の置かれている立場などプライバシーに関わる状況も知っておかなければならない時もあり、守秘義務を踏まえた上で対応していかなければならない。

 

 

 

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