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提案要旨

保育所における午睡

佐久間葉子(藤沢市・神愛保育園保育士)

 

午睡の問題点として次の2点に着目しました。そのうち今回は2]を重要視して検討課題とします。

1] 「事故防止」

「乳幼児突然死症候群」(SIDS)の予防を主に、園生活において、うつぶせ寝やその他の危険要因を少なくする事を徹底しています。

2] 「午唾の必要性(3歳以上児の午睡について)」

5歳児の保護者より、「午睡をしないと夕方になってぐずってしまう」「午睡をすると、夜いつまでも眠らなくて困ってしまう」という相反する意見がありました。集団生活においての午睡のむずかしさを痛感します。また、「我慢の昼寝必要なの?」の新聞記事も参考に保育士間で討議しました。同時に2〜5歳児クラスの保護者に対して午睡についてのアンケートを実施。(回収率72.5%)その結果、保護者大半が園での午睡を必要としていること、2歳児クラスも含め、家庭での睡眠時間が全体的に短いことなどがわかりました。(アンケート結果は別項)新聞記事に対しては、やはり親が園に対する責任転嫁なのではと感じました。またここで少し触れている子どもの午睡時間は、保育士の雑用、事務処理時間であるのも現実です。

さて、当園の5歳児クラス(園児33名、担任2名)の場合、午睡時間は、13時半頃から15時。(午前中の活動内容により多少前後あり)13時半頃からふとんに横になり、個人差はあるものの、入眠は14時頃から。眠れなくても、「横になることにより、静かに体と頭を休める」「眠い人(寝ている人)もいるんだと気づかうことにより思いやりの気持ちを育てる」という目的を持っています。(年明け1月より5歳児全体での午睡はなくなります)

また、保育所保育指針の<ねらい>と<健康>は、年齢別に午睡のとらえ方が少しずつ変化して記述されています。基本は、ここにあることを再認識した上で、集団生活の中で、可能な限り『子どもにとっての最善の利益とは何か』を常に心にとめて保育に臨みたいと思っています。午睡についての考え方、問題点はまだまだありそうです。今回の研修会で保健、健康面からの専門家の意見を伺い、さらに深く追求できたらうれしく思います。

 

 

 

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