日本財団 図書館


提案要旨

保育所の間食

竹中幸子(青梅市・かすみ台第一保育園長)

 

保育所における給食は、乳幼児の心身の成長と発育そして健康保持等に必要な食物の供給が大きな役割です。最近では保護者の勤務時間や通勤圏等の多様化により、保育時間の延長も余儀なくされ、また家族構成等の変化により保育所での食事やおやつに対する意識が益々重要となってきました。

子どもは体が小さいわりには多くのエネルギーを必要とし、その上、消化機能はまだ未発達で、1日3食の食事だけでは不十分なため、おやつで補給する必要があります。

おやつはお菓子などでなく、『間食』として昼食とのバランスを考え、軽い食事のようなものを取り入れ、1日4食と考えている施設も多いと思います。そのためには間食の充実を図り、また、食物アレルギーの子どもへの対応も考え、できる限り手作りでボリュームのある物(すいとん・ミートグラタン・いなりずし、お好み焼き・おにぎりなど)が考えられます。

しっかり食べても時間と共にお腹も空いてきます。夕飯を食べる時間になっても帰れない子どもには、おやつと夕食との繋がりとして更に間食も必要となってきます。どの時点でどの位を与えたら良いのか、お迎えまで後どの位かかるのか、そして保護者の考え方は…。など悩みながらも対応しなければなりません。

友達が少しずつ少なくなっていく心細さや空腹感のいらだちからの葛藤もあります。過食にならないように、夕食に差し支えないように。しかし、何かを口にすることは暫くの心身の安定にもつながり、心理的にも心強いのではないでしょうか。

保育所独自の考え方もあり、どの施設も今後の大きな課題として検討していく必要があると思います。

子どもが従来から持つ“おやつ”のイメージを崩さないように柔軟な考え方も必要だと思います。日本の様々な文化や行事をできる限り伝えられるような、間食やその時期でしか味わえない物も取り入れることも大切でしょう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION