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提案要旨

効果的な健康診断をめざして

−保護者の立場から−

生坂桂子(本庄市・梅花保育園保護者)

 

働く女性の増加に加え、核家族化により、育児の大半の時間を保育園に委ねている家庭が多くみられるようになりました。子どもの健康管理は、食事、睡眠、排泄を基本に各家庭の責任であることはもちろんのことですが、実際には保育園の協力によるところが大きいのが現実です。

私は、小学4年と保育園年長児の子育てをしておりますが、二人の子どもを合わせると、約8年間、梅花保育園にはお世話になっております。その間に、園に対して一番感心していることは、園児の健康管理に取り組む姿勢です。身体測定、生活リズム調査に始まり、健康調査票の作成、聴力、視力を含んだ健康診断の実施は費用の点だけでなく、忙しい保育の時間をぬっての作業であり大変なことと容易に想像されます。しかし、父母にとっては、子どもの健康維持と病気の早期発見につながり、大変ありがたいことです。梅花保育園に子どもを預けている父母にアンケート調査を施行したところ、健康診断を希望する割合が96.3%、健康診断全般についての感想で満足しているとの回答が93%と高い割合を示し、また、実際にこの検診で弱視が見つかり、早い時期に治療を開始し良い結果を得られている園児がいることからも、その意義は大きいと評価できます。

私の場合、内科の開業医をしていることから、日常診療の場や市の検診において小児を診察する機会もありますが、正常の判断は容易ですが異常の判断をくだす難しさを感じることが度々あります。その点、多くの子ども達と接触していることから横の軸で、一人の子どもを何年もの経過で知っていることから縦の軸でと、両方からみられる保育園の先生方の目はとても重要と考えられます。そういった視点で行われる保育園での種々の検査は、3歳児健診のもれや、現在の市の健診システムでは行われていない、4歳、5歳児健診を補うものといえると思われます。

 

 

 

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