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資料3.1.8 国際会議の開催を報じた気象庁ニュース

 

平成12年10月20日

 

気象庁ニュース

編集・発行 気象庁・総務部・総務課

 

主な記事

・Argo計画促進のための国際会議が開催

・気象庁新世紀記念事業について

・当庁運転手が優良運転者警察署長賞を受賞する

・泰山木

(本号8ページ)

 

Argo計画促進のための国際会議が開催

気候・海洋気象部

 

気侯予測にとって重要な、Argo計画(脚注)をはじめとする海洋観測を促進するため、「気候予測のための海洋観測促進に向けた国際会議」(主催:(財)日本気象協会、助成:日本財団、後援:気象庁等)が10月5日に東京において開催された。

参加は、2つの国際機関(全球海洋観測システム(GOOS)、南太平洋地域環境計画(SPREP))と太平洋域の4カ国(インドネシア・フィリピン・米国・日本)であり、当庁からは、佐伯気侯・海洋気象部海洋課長が議長をつとめ、また、気候情報課や気象研究所の関係官が議論に参加した。

会議では、参加各国の気侯予測や海洋観測の現状や課題についての報告、及び、太平洋地域の海洋・気象機関等を対象としたアンケート調査の報告が行われ、続いて、海洋観測の促進方策について活発な意見交換が行われた。

その中で、現在、日本・米国・オーストラリア・カナダ・フランス・英国・ニュージランド・欧州委員会において、Argo計画が進められていることが報告され、太平洋におけるArgo計画の重要性が確認された。また、信頼性が高い気候予測が社会的・経済的な観点から、太平洋地域にとって必要不可欠であることが確認された。一方、アンケート調査からは、Argo計画についての理解がまだ十分ではない国や地域が存在することが報告された。このような状況の中、Argo計画を成功させるためには、国際的な協力体制、とりわけ、二国間及び地域的な協力体制の構築が必要であることが確認された。

そして、会議の最後に、Argo計画の地域的な協力体制の構築の推進と太平洋域の関係国のキャパシティービルディング(人的・技術的な能力構築)への取り組みを訴えるとともに、海洋・気象機関へのArgo計画への積極的な参加を呼びかける「東京Argoステートメント」が採択された(気象庁仮訳は気象庁ホームページの10月6日発表の報道発表資料に掲載)。

当庁では、今後とも、ミレニアム・プロジェクト「高度海洋監視システム(Argo計画)の構築」を推進するとともに、Argo計画への国際的な貢献を果たしていくこととしている。

 

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(注) Argo計画とは、約3000個の中層フロートを全球の海洋にくまなく展開し、水深2000mから海面までの水温、塩分等を観測し、約2週間毎に衛星を経由してデータを収集する計画である。

我が国においては、ミレニアム・プロジェクトの1つである「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」として、気象庁、科学技術庁、海場保安庁が共同して、平成12年度から実施している。

 

 

 

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