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資料3.15(2) 東京Argoステートメント

 

全球海洋観測システム(GOOS)、南太平洋地域環境計画(SPREP)の2国際機関及び日本、米国、インドネシア、フィリピン4か国から専門家が参加して開催した「気候予測のための海洋観測促進に向けた国際会議」(2000年10月5日、東京)において、参加者は太平洋域における海洋観測促進に向け以下のステートメントを採択し、当該海域の海洋機関・気象機関に対して、Argo計画への積極的な参加を広く呼びかけた。

−現在、日本、米国、オーストラリア、カナダ、フランス、英国、ニュージーランド、欧州委員会が参加して、水深2,000mまでの水温と塩分を全世界の海洋において測定するために、3,000個の中層フロートを海洋に投入するというArgo計画の実施を開始しており、この計画の気候予測への貢献を認識するとともに、太平洋におけるArgo計画の重要性を確認した。

−高精度で信頼性が高い気候予測は、杜会的・経済的な観点から、太平洋地域にとって必要不可欠である。

−しかし、一方、Argo計画についての理解がまだ十分ではない国や地域が存在することを世界48カ国(77機関)を対象としたアンケート調査から認識した。

−Argo計画を成功させるためには、国際的な協力体制、とりわけ、国間及び地域的な協力体制の構築が必要であることから、太平洋諸国は、アルゴ計画の重要性とそれがもたらす利益を認識し、地域協力を実施する必要があり、本計画への積極的な参加を得るために、関係国のキャパシティ・ビルディングを強化する適切な手段を講じる必要がある。

−中層フロートの展開状況及び気候予測モデルの進展を踏まえつつ、特に、アルゴ計画に関する情報の配布や交換及びデータの共有は、無料、無制限かつ適時に行われる必要がある。

−現在、計画中のアルゴ情報センター(AIC)及び各国のアルゴ情報センターを支援することにより、必要とされる協力、情報交換及びデータの共有が促進される。

−現在、実施されようとしている、アルゴ計画に関連した諸活動が直面する資金的に困難な状況は、速やかに解決されなければならない。

−地域的な技術会合を実施するとともに、アルゴ計画を含む海洋観測に係る情報とデータのネットワークを構築することにより、太平洋諸国は、各国の気候予測技術の発展を促進するために必要なデータ、技術及び知識を共有できるであろう。

−アルゴ計画を実施することにより、我々は、21世紀に、気候と海洋に対する理解と予測を大きく前進させる新たなデータを手に入れるであろう。

 

 

 

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