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7. ディーゼル車の排出ガス対策に係るその他の施策

(1) 整備不良車両の排除

自動車による環境負荷の低減を図るためには、使用過程において常に排出ガス性能が維持されていることが必要です。排出ガス性能が維持されず、整備不良の車両は、通常の車両に比べてNOxやPMの排出量が多く、環境を汚染します。

こうした車両から排出される排気ガスの削減を図るには、効果的な点検整備を行うことが必要的です。整備事業者及び運送事業者が行った点検整備によって、半分以上の車両に関し、10%以上黒煙の排出削減効果が見られるというデータも発表されています。

今後は、整備事業者による入庫車両の点検の実施や、運送事業者による保有車両の自主的な点検を進めるとともに、一層の街頭検査の実施による取締りの強化等総合的な施策を講じていくことが必要です。

 

(2) 不正軽油の不使用の徹底

不正軽油(粗悪軽油)とは、軽油引取税の脱税を目的として、都道府県知事の承認を得ずに、軽油にA重油等が混合され、軽油と偽って販売されるものです。不正軽油をディーゼルトラックに使用した場合、大気汚染が進行し、NOxが最大で35%、PMが最大で17%増加するとも言われています。こうした不正軽油による使用を制限するためには、取締りの強化を図るとともに、運送事業者による不正軽油の不使用の徹底のための措置を進めることが必要です。

 

8. 特殊自動車からの排出ガス規制

大都市を中心とした大気環境を改善するためには、大都市地域におけるNOxの約2割を排出する特殊自動車(クレーン車、フォークリフト等)について排出ガス対策を講じる必要があります。現在、中央環境審議会では、特殊自動車におけるNOx等の排出規制について、その低減目標を当初2004年としていたものを1年前倒して2003年まで達成を図ることとし、あわせて、黒煙の低減目標を40%として、その達成を目指しています。

 

9. 自動車運転のグリーン化

地球温暖化の大きな要因の一つであり、またNOx、PM等大気汚染の原因物質を含む自動車からの排出ガスを削減するためには、環境に配慮した自動車運転の国民各層への普及とその徹底を図ることが大切です。そのためには、環境にやさしい運転(エコドライブ)の周知徹底や環境負荷の小さい事業運営(グリーン経営)の推進が必要です。

 

 

 

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