■大気中の二酸化炭素濃度の推移
大気中の二酸化炭素濃度は、植物の光合成等により、1年を周期として変動しており、この変動は植生の違い等により場所毎に異なっています。
二酸化炭素の濃度は、18世紀後半の産業革命以前は280ppmv(ppmv;100万分の1m3[体積比])程度で安定していましたが、その後は急激な工業生産活動等の発展に伴って増加し、1990年代には350ppmvを超え、現在も約1.5ppmv/年の割合で増加し続けています。これが、21世紀末に1990年に比べ地球全体の気温が約2℃、海面が約50cm上昇するといわれる理由です。
当面の長期目標の目安としては、産業革命以前の濃度の約2倍(550ppmv)に安定化することが提案されています。現在、我が国の1人当たり二酸化炭素排出量は約2.5トン/年(炭素換算)ですが、IPCCの第2次報告書の分析等によれば、上記目標を達成するためには、21世紀末に世界全体の平均1人当たりのCO2排出量を1トン/年以下に抑えなければならないとされています。