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左中部(図中C)に位置する試料(St.2-4層、St.2-2層等)は、OCDDの組成比が大きいため第一主成分が小さくなっており、各層の堆積年代からPCPの影響があると推測される。

年代測定の結果から、図-3.5に示すように1950年以降の試料については、概ね中央部に位置している。右中央部(図中E)に位置する湾口部(St.4,5,8,9,10)の試料は、湾奥部(St.1,2,3,6,7)の試料と比較して、大気及び降下ばいじんの影響が大きく、PCP及びCNPの影響が小さいと考えられる。左中央部(図中F)に位置する湾奥部(St.1,2,3,6,7)の試料は、湾口部(St.4,5,8,9,10)の試料と比較して、大気及び降下ばいじんの影響が小さく、PCP及びCNPの影響が大きいと考えられる。第二主成分から図中Fに位置する試料と図中Eに位置する試料は、CNPの影響が考えられるが、表-1.1に示すように大気及び降下ばいじん中にも1368/1379TCDDが比較的多く含まれることから、図中Eの試料は大気及び降下ばいじん中の1368/1379TCDDにより、第二主成分が大きくなっていると考えられる。

主成分分析の結果をまとめると、水平分布及び鉛直分布において濃度が高くなっていた湾奥部の試料については、PCPやCNPの影響を強く受けているものと推測される。一方、湾奥部と比較して濃度が低くなっていた湾口部の試料は、湾奥部と比較するとPCP及びCNPの影響は小さく、大気及び降下ばいじんの影響が強くなっているものと推測される。

 

 

 

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