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4. モデル実験の候補地選定の検討

・実験候補地の選定の考え方…分科会からの提案と公募による候補地

モデル実験場所の選定には、以下の両方向から考えていく。

1] 分科会からの適当と考えられる候補地の提案と、

2] 一般公募により関心がある団体等の参加協力を呼びかけ候補地をつのる

分科会からの提案は、あらかじめ条件等の把握が容易であり実験地として実施できる確度が高く、データ収集等についても一定の成果が期待できることから、第一の候補と考える。しかし、一方で、現実的な選定方法をとっているため、いずれも不動産開発と連動するカーシェアリングの運営といえそうな候補地が上がるという条件的に偏る面もある。

一方、公募による方法では、当事業を広く一般にアッピールする効果を狙うとともに、上記のプロセスで上がってきた候補地以外に、モデル実験がしやすく、将来のカーシェアリングの普及の観点からも有益な実験が実施できる応募があることを期待している。

最終的な結論は応募候補地の内容、条件にもよるが、その時の状況により、一カ所、あるいは諸条件の範囲内で、2つの実験実施、一部を次回に行うことなどで対応することを考える。

 

1) モデル実験候補地の条件

カーシェアリングの本格的な導入を目指した初めての車の共同利用(カーシェアリング)のモデル実験を行うにあたり、何より実験に参加する一定以上の人数の参加が見込める地区である必要がある。これは、実際のカーシェアリングの事業化の際にも同様である。以下の考え方により候補地を選定していきたい。

1] カーシェアリングの適地(実験場所としても有利)

ア. 自家用車の共同化を狙う…住宅地

最も一般的需要の多い個人所有の車、自家用車の共同利用の推進が地球環境、都市空間の問題軽減に大きな役割を果たしている。(昨年度資料)

住宅地のカーシェアリングは、利用の可能性を確保するために所有している層の車保有を減少させることになり、自動車総量の削減が大いに期待できる。

イ. 様々な利用の需要があり、利用効率も高く事業性の点で有利…都心部

多様な社会層が存在し、様々な目的の利用も期待できる。高密度に居住/就業人口が集積している都心部では成立可能性が高い。

公共交通手段が発達し、車を常に所有している必要性が低い。

2] 実験場所としての容易さ

・駐車場、管理事務所等の場所の確保とその間の近接性、管理の容易さなど

・できればコミュニティの存在等利用者側にまとまりがあり、理解度と関心があること

・様々な社会層、利用形態が想定できること

これらは、絶対条件ではないが様々な制約条件がある中でのモデル実験にとっては、候補地選定の重要な要素と考える。

 

 

 

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