−質疑応答−
Q1. スポーツカーが好きでポルシェ、BMWも買った。スポーツカーの役割は? カーシェアリングの車のカテゴリーとして入りうるのか?
A カーシェアリングのいくつかある問題を的確に言及している。スポーツカーの愛好者が高速を飛ばすことは環境破壊の小さな一部に過ぎない。環境破壊の大きな割合を占めているのは不必要に車に乗ってしまう一般のドライバーである。ドイツでもドライブをレジャーやスポーツの一環として考える人もいる。我々がカーシェアリングを立ち上げる時に、オーブンカーはやめておこうということにした。
しかし、現在では、若い世代にアピールをするためにも、品ぞろえを豊富にしておかないといけないという考えが強まっている。環境に優しい社会は、楽しくしなければ。楽しみまで奪ってしまっては続かない。
Q2. 夏のバカンスで、2〜3週間全員が借りてしまったら極度の需要のアンバランスが生じると思うが、どう対処しているのか?
A 現在ドイツ人はバカンスに行くとき、飛行機を使う。その大気汚染は車とは比べ物にならない。飛行機の乗り方まで考えなければいけない。アビニオン、マルセイユ、バルセロナ等ドイツ人の好きなバカンス地に我が社の会員のカーアクセスを保証するために、現地で車を押さえておく。会員には鉄道で行ってもらい、現地で車を使ってもらうことを考えている。
確かに、バカンス期間中は需要が高まるので、ストックをしておく必要がある。今年はそういう問題もある。秋に新車の購入はしないことに決めた。秋と冬に需要が伸びても現有車輛で大丈夫だろうと予測している。
Q3. 日本で似たような実験をしている。これから成功させるために背景を伺いたい。
(1) 会員の属性、性別・年齢の分布等、既に車を持っている人はいるのかどうか?
(2) 1台10人以上になると生活パターンが近いせいか、予約にバッティングが起きる。1台20人の時には不都合がおこらないのか。どんな対策をしているのか。
A 1台30人で最初から共有していた。フライブルグでは問題はなかった。利用の30分〜2時間前に予約を入れているということからも明らかである。これは、フライブルクの公共交通網も優れているせいだと思う。
ユーザーの9割は大学卒であり、高いレベルの教育を受けた人が多い。
大卒ということで、自分の車を誇示する要望を持ってない人が会員になっている。
ただ、どの社会でもいえることだが、トレンドセッターがいて、その後に追随していろいろな人がついてくる。
(3) 歩いていってすぐに車があるといっておられたが、駐車場レイアウトやポリシーは?
A 駐車場につき、1〜2台の車を置いてある。それが街全体にばらけて配置してある。
今後、無線システムがさらに発達すれば、駐車場をなくしてGPSとリンクさせることができるようになる。
カーシェアリングはフレキシブルに構築できる可能性を秘めている。
ベルリンでは最大30台停められる駐車場が5ケ所ある。会員が駐車場に行くまで遠くて不便だという。
フライブルグが目指す最終目標は、カーシェアリングの車と一般の車との区別をなくすこと。区別ができるのは、本部の無線システムだけにしたい。