2) レンタカーと車の共同利用…現行制度との関係
既存制度では、自家用自動車を業として有償で貸す場合は、通常レンタカーが想定されて制度整備がされている。
安全性、事業としての信頼度等の観点から様々な手当を行う必要があるが、カーシェアリング等の車の共同利用においては、レンタカーと同等の制度適応では、両者の目的等の違いから無理がある。以下にそれらの点を検討していく。
1] 既存制度と車の共同利用についての検討…レンタカーと車の共同利用の違い
モデル実験の実施計画を策定するに当たり、現行制度との関係を既存のレンタカー等との比較をふまえて、新しい車の共同利用のあり方、普及に向けて諸課題を検討していきたい。
既存制度では、カーシェアリング等の車の共同利用を想定していないため、最も近いと思われるレンタカーと比較する。
・レンタカー 旅行などで自分の車を使えないときに、たまにレンタカー会社からその営業所に出向いて比較的長い間車を借りる。返却はその会社の営業所に戻す。
・車の共同利用 (カーシェアリングあるいは公共レンタカー/シティーカー等)
自分で車を所有するのではないが、自分の家の近く(カーシェアリング)で、あるいは、街中(公共レンタカー/シティーカー)で必要なときに自分の車のように利用することができる。
個人が(独占的に)使用し、(排他的に)使用できるというこれまでの車を所有形態では、使われているのは、ごくわずかな時間で、大部分の時間は駐車されている。一方、車の共同利用は、必要な時間だけを個人利用(タイムシェア)するので、利点は様々ある。
個人として、
・経済的
社会として
・都市空間や建築空間の浪費を節減し、
・社会全体で必要な車の台数も削減でき、
・交通渋滞等の減少が期待される。
以上の利点があり、環境への総合的な効果が期待できる。
普及のためには、安いサービスの実現が第一条件である。社会として有益なものであるならば、こうした条件を整えるために制度整備、その他支援の手だてが必要とされる。